2021年7-9月期の労働力調査

 7-9月期の失業期間1年以上の長期失業者は、2019年に53万人だったものが2020年には50万人に減っていた。これが2021年には68万人に増加した。状況は深刻といえるだろう。男女別に見ると、男は38万人→34万人→50万人と2021年に急増している。女は、14万人→16万人→18万人と緩やかな増加が続いている。労働市場から退出しない、できない労働者なので、対策が必要だ。

 長期失業者と対照的な「正規の職員・従業員」の変化も見てみよう。2019年は3,492万人だったが、2020年には3,537万人、2021年には3,575万人と連続して増加している。こちらはむしろ改善しているとみられる。男女別に見ても、どちらも改善している。男は、2,326万人→2,335万人→2,343万人と緩やかな増加だ。女は、1,166万人→1,202万人→1,232万人と急増しいる。人数、率とも男を上回る増加だ。女性の割合は、33.4%→34.0%→34.5%と高まり続けている。

 「正規の職員・従業員」と対になる「非正規の職員・従業員」は、2019年は2,189万人→2,020年は2,064万人と大きく落ち込み、2021年には少しだがさらに減って2,060万人になった。男女で推移に差があり、男は、706万人→660万人→647万人と減り続けているが、女は1,483万人→1,404万人→1,413万人と増加に転じている。

 このうち、「正規の職員・従業員の口がないから」とするものは、同じ期で、2019年は239万人、2020年は107万人、2021年は211万人と減少が続いている。こちらは推移に男女差がなく、男は119万人→107万人→100万人と、女は120万人→115万人→112万人と、どちらも減少を続けている。非正規全体に占める割合は、2019年は10.9%、2020年は10.8%、2021年は10.2%と低下傾向だ。男は、16.9%→16.2%→15.4%と低下傾向にある。女8.1%→8.2%→7.9%と8%前後で変動している。

 この数、211万人は、非正規に占める割合が低いからといって軽視すべきではない。完全失業者191万人よりも多い。正規の職員・従業員を5.9%増やさないと解消できない。取り組みが必要だ。