通信料(携帯電話)

物価低迷続く日本 10月、エネルギー除けば0.7%減: 日本経済新聞 nikkei.com/article/DGXZQO

 携帯電話の通信料が、4月に下がり、10月にさらに下がって、2020年を100として47になっている。少しややこしい問題がある。

 消費者物価指数には、通信料(携帯電話)という品目があり、指数とウェイトが公表されている。このデータを利用して、通信料(携帯電話)を除く総合指数を試算することができる。

 これを作って、前年同月比を総合指数と比較してみる。3月は総合指数ものぞく指数も-0.4%で差はない。4月は通信料(携帯電話)の指数が下がったので、除く指数は-0.1%だが、総合指数は-1.1%で差が出ている。総合指数の低下に、通信料(携帯電話)の低下が寄与している。5月は除く指数は+0.3%と上昇に転じたのに、総合指数は通信料(携帯電話)低下の効果で-0.7%となった。符号が異なっている。

 この傾向は6月以降も続いている。6月0.7%、-0.4%、7月0.8%、-0.3%、8月0.9%、-0.4%だった。総合の低下率の絶対値が小さくなり、9月からはプラスに転じたので、符号は同じになっている。1.5%、0.2%、10月1.6%、0.1%だった。

 これだけなら特定品目の影響が大きいということだが、問題は総合指数のウェイトだ。「通信料(携帯電話)」のウェイトは10000分の271なのだが、価格が基準時点から半分になれば、消費額が2倍にならない限り、消費に占めるウェイトは小さくなる。

消費額はそんなに大きくなっているだろうか?もしなっていなければ、総合指数の上昇率は実態より低めに出ていることになる。