よく飲食店が人手不足と報道されているが、「M2 飲食店,持ち帰り・配達飲食サービス業」に、408万人が従事しているが、この付加価値額は196万円で、平均の4割に満たない。「人手不足産業」への労働移動も望ましいとは限らない。経済成長を望むなら、高付加価値産業への労働移動を促進すべきだ。そのために必要不可欠なのが、高生産性産業の成長だ。
付け加えると、高付加価値産業への移動と同じ効果を持つのが、低付加価値産業の事業所が高付加価値産業に転業することだ。同じ産業のまま、高付加価値化してもいい。高度成長期には、これらが同時進行していた。
蛇足だが、付加価値の生産を目指していない事業もある。別な価値を追求する過程で、副産物として付加価値が作られると、経済センサスで記録されるが、そういう産業から、労働者を移動させる必要はない。「94 宗教」のこの付加価値額は15万円だが、問題はない。